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社説

風疹大流行の懸念 妊婦の周囲は特に注意を

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 風疹の流行が拡大している。今年の累計患者数は1100人を超え、昨年1年間の約12倍になった。東京や神奈川、千葉など首都圏で多い。1000人を超えたのは大流行した2013年以来だ。

     風疹で特に気をつけなければならないのは、妊婦が感染することだ。妊娠20週ごろまでの女性が感染すると、赤ちゃんの心臓や目、耳などに先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれる障害が出る場合がある。

     妊婦の感染を防ぐためには、男性も含めた予防対策が重要となる。赤ちゃんの健康を守るためにも、社会的に対応を進めたい。

     患者のせきやくしゃみなどの飛沫(ひまつ)で感染する風疹は、発熱や発疹などの症状が出る前でもうつり、感染力が極めて高い。13年の流行では患者数が1万4000人を超え、CRSの赤ちゃんが45人確認された。

     予防にはワクチンの接種が有効で、現在は男女とも2回の接種が原則だ。ところが接種は制度上、年代によってまちまちで、自分が風疹ウイルスの抗体を持っているのかどうか分からない人も多い。

     今回の感染者は、ほとんどが成人で、30代から50代の男性が多い。接種の対象外か、1回の接種だけでよしとされた世代だ。

     女性でも1990年4月1日以前に生まれた人は1回しか接種を受けず、抗体の数値が低い場合がある。

     CRS対策の基本は、パートナーの男性や同居の家族、職場の同僚なども抗体を調べ、低ければワクチン接種を受けることだ。だが、30代から50代の男性に対する抗体検査や接種はそれほど進んでいない。

     その一因とみられるのが費用だ。成人の抗体検査の費用は数千円で、政府は自治体を通じて補助している。ただ、自治体によって対象は異なり、女性のみの場合もある。ワクチン接種には5000円から1万円程度かかるが、こちらには国としての補助制度はない。

     政府は、東京五輪が開かれる20年までに風疹の流行を排除する目標を掲げる。補助の拡大など、対策を強化しないと達成は難しいだろう。

     従業員にワクチン費用を補助するなど、対策に乗り出す企業も出てきた。女性が働きやすい環境整備は企業価値の向上にもつながるはずだ。

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