連載

イタリア・オペラの楽しみ

オペラ評論家の香原斗志さんのコラム。イタリア・オペラを中心にクラシック音楽全般について紹介。クラシックナビ連載。

連載一覧

イタリア・オペラの楽しみ

インタビューでつづる没後150年のロッシーニ・オペラ・フェスティバル① フローレス出演「リッチャルドとゾライデ」の愉悦

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
「リッチャルドとゾライデ」のゾライデ(イェンデ)とアゴランテ(ロマノフスキー) (C) Amati Bacciardi
「リッチャルドとゾライデ」のゾライデ(イェンデ)とアゴランテ(ロマノフスキー) (C) Amati Bacciardi

香原斗志

 ロッシーニ没後150年の今年は、作曲家の生地である中部イタリアのペーザロで毎夏開催されるロッシーニ・オペラ・フェスティバル(ROF)も、例年以上に力が入っていた。中心となった3演目はオペラ・セリア「リッチャルドとゾライデ」、1幕のファルサ「アディーナ」、そして「セビリャの理髪師」。いずれも、歌手は同地のロッシーニ・アカデミー出身者から初登場組まで、若手とベテランがバランスよく配置され、今後のオペラ界をけん引すると確信しうる逸材も散見された。指揮者や演出家も適材適所で起用され、記憶に残る上演となった。

 ROFの芸術監督は2016年、その翌年に亡くなったアルベルト・ゼッダから、往年の名ロッシーニ歌手(テノール)で引退後はアーティストのエージェントとして力を発揮したエルネスト・パラシオに引き継がれていた。さらにパラシオは、ROFの総裁およびロッシーニ・アカデミーの校長にも就任し、今年は全権を掌握して挑んだ。上記のバランスのよさは、まさにパラシオの手腕が発揮された結果だろう。「セビリャの理髪師」でヒ…

この記事は有料記事です。

残り3102文字(全文3560文字)

あわせて読みたい