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昭和史のかたち

災害史観から見る北海道地震=保阪正康

非常時を分かつ情報流通

 私は平成という時代を確認する折に、しばしば災害史観という語を用いる。災害によって起こる社会現象や人々の心理上の変化が歴史的にどのような形をとるのか、そのことを検証しようというのが狙いである。私の見立てでは、大正12(1923)年の関東大震災を例にとるとわかりやすい。

 この大震災では多くの現象や事象が起こったが、あえて2点に絞れば、第一は自然災害による虚無感である。このことは田山花袋や佐藤春夫などのエッセーでもわかる。大正末期から昭和の初めにかけての都市文明の退廃、そして昭和初期の三原山への投身自殺が相次いだ死のブームはこの虚無の故であろう。第二は当時は国自体が情報閉鎖集団だったが、そこに根拠のない噂(うわさ)が投げ込まれると、朝鮮人、中国人虐殺事件といったとんでもない行動を起こすことが裏づけられた。これが日本人の宿痾(しゅくあ)ともいうべき性格なのか、それとも情報閉鎖集団そのものが平然と非人間的行動を起こすのか、が歴史的な課題として残った。

 平成は、阪神大震災、3・11東日本大震災の地震と津波、さらに熊本地震、先月の北海道胆振東部地震と続…

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