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中村桂子・評 『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』=D・モントゴメリー著、片岡夏実・訳

 (築地書館・2916円)

 人工知能、仮想現実、ロボットなど新技術での未来が描かれている中でなんとも泥臭い話と見られそうだが、人類が生き続けるために不可欠なのはこちらではないかと思うのである。因(ちな)みにここで扱うのは「泥」ではなく生きている「土」である。

 地質学者である著者は、『土の文明史』で、現代文明は土壌侵食や肥沃(ひよく)度の低下を引き起こし滅びに向っていることを示した。その後、『土と内臓』で土壌微生物と植物の根の関係が腸内細菌と腸の関係に似ていることを明らかにし、微生物の重要性を指摘した。三作目の本書では、これらを踏まえた農業革命を提案する。

 最初の小見出し「人類最悪の発明-犂(すき)」にギョッとする。文明の始まりは農業革命であり、それを支えたのが犂だと教えられてきたのにと。しかし、耕された地面からは表土が失なわれ、肥沃さが消えると言われればその通りだ。最近は犂に加えて、農薬・肥料・抗生物質など化学製品による農業の効率化が進み、世界中の人々を養えるようになったとされている。しかしこれらにも、土中微生物の力を抑えるという問題がある。

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