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じわじわと街をむしばむ影が迫っている。「空き家」問題だ。来夏にも発表される最新の空き家数は、1000万戸の大台に乗るとみられている。そして、これまで地方にある一戸建てのトラブルというイメージが強かった空き家はこれから、都市部に林立するマンションで深刻化しそうだ。どう対処すればいいのか。【宇田川恵】
「5階建てぐらいでエレベーターがない。バスや自転車を使わないと駅まで行けない。40年ほど前に建てられた、そんな共同住宅の空室がこの周辺でも徐々に増えています」。そう話すのは、東京のベッドタウン、埼玉県所沢市に拠点を持つ「空家・空地管理センター」の代表理事、上田真一さんだ。不動産業のかたわら、空き家に関わる全国からの相談を無料で受けている。最近、抱くのはこんな懸念だ。「マンション全体が放置状態になる例が北関東方面でも出てきた。東京都内などにも広がっていくのではないか」
そもそも空き家は全国にどのぐらいあるのか。総務省が5年ごとに行う調査では、戸建てやマンションの空室を含め、2013年で約820万戸と全住宅の13・5%を占めた。18年の今年は調査中だが、その数は1000万戸を超え、全体の2割に近づく見通しだ。
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