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俳句月評

平成後の「主体」とは=岩岡中正

 『俳句αあるふぁ』が秋号で、「平成の暮れに」を特集。その中の鼎談「『平成』と俳句」で「俳句における平成」の特徴として、第一に長谷川櫂は「末期的大衆俳句」をあげ、「俳句大衆の変質・劣化」、リーダーと「批評の柱」の不在、さらにはネットとの関係にふれつつ、全体として平成の俳句状況を憂える。

 リーダー論はともかく、これらの指摘は私の実感にほぼ近い。近代市民社会から現代大衆社会もきわまる平成の今日へと、社会と個人の「存在」の崩壊が進む中、俳句もまた「座」のみならず「創作の主体性」も希薄になりつつあるのではないか。

 さらには第二の特徴として宮坂静生は、続発する天災人災による「数多の死という体験」をあげる。この危機と衝撃で私たちはあらためて無常に目ざめるとともに、長谷川が指摘するように、リアリズムを超えた、他者への想像力という俳句の可能性を自覚しはじめた。私は、平成後の俳句の展望は、「存在の崩壊」を超えた、想像力による「関係の回復」から始まると思う。これは、水俣病患者たちと「道行き」をした「悶(もだ)え神」と…

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