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余録

明治改元の詔が発されたのは…

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 明治改元の詔(みことのり)が発されたのは1868年10月23日、旧暦の9月8日だった。前夜、天皇は宮中の賢(かしこ)所(どころ)で神楽奉納の儀式の後、自らクジをひいた。ほかならない元号を決めるクジで、そこで「明治」がひかれた▲元号案は学問で名高い公家の意見書から2~3の候補が選ばれていた。天皇は後世「明治天皇」と呼ばれる運命も、直面する変革が「明治維新」と言われることも、自らの手で決めたのである(加来耕三(かく・こうぞう)著「1868」時事通信社)▲もしこの時、別の元号をひいていたら、その後の歴史は変わったのかどうか。ついつい、しょうもないことも考えてしまう。ともかくも生起した出来事のままに150年の歳月は流れ、きょう政府の「明治150年記念式典」がある▲こう聞けば、高齢の世代なら50年前の佐藤栄作(さとう・えいさく)政権下の明治100年行事を思い出す方もいよう。当時の政府の思惑はどうあれ、高度成長の坂を上る人々の間で明治の若々しいナショナリズムを回顧するブームも起きたあの頃だった▲150年の歴史の半ばには大戦があった。明治から大戦までの歴史も、後半の戦後の歴史も、共に文明の興隆から混迷までの道のりを歩んだ。思えば50年前の高度成長期は近代日本の青年期とも重なり合う幸せな時代だったのだろう▲19世紀の世界と文明にみごと適応しながら、20世紀のそれに大失敗した戦前だった。そして戦後、20世紀文明への再適応に大成功し、その確かな担い手となりながら21世紀の針路に迷う明治150年である。

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