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社説

省庁の水増し是正策 障害者雇用の質が大事だ

 中央省庁で障害者の雇用数が水増しされていた問題で、第三者検証委員会が報告書を政府に提出した。

     国の28機関での水増しは計3700人に上る。そのうち約2600人は障害者手帳がなく、病気や疾患もなかった。その無責任ぶりに改めて憤りを感じる。

     政府はきょう是正策を決定する。統一試験を実施するなどして2019年末までに約4000人を新たに採用することが柱とみられる。現在の法定雇用率(2・5%)を達成するのに必要なためだ。

     しかし、短期間にこれだけ大勢の障害者を雇用できるだろうか。

     民間企業は雇用率が未達成だと納付金の支払いや企業名公表などのペナルティーを科されるため、懸命に障害者雇用を進めてきた。その結果、企業が多い都市部では、身体障害や知的障害のある従業員を確保するのが難しくなっている。

     こうした事情から、最近は精神障害者の雇用率が伸びている。ただ、企業側の配慮不足もあってストレスから体調を崩したり、早期に離職したりする人も多い。

     政府は採用前に非常勤で勤務できる「プレ雇用制度」や、短時間勤務の制度を導入して職場定着を図るという。障害特性に合った合理的配慮に関する指針や、雇用管理のガイドラインも策定する予定だ。

     現に民間企業の多くはこうした方策を取り入れている。それでも雇用率の達成に苦労しているのだ。

     精神障害のある従業員の場合、障害をよく理解したジョブコーチや社員を配置し、個々の特性に応じた勤務形態や職場環境を整えなければならない。一般社員や上司との人間関係の調整をすることも必要だ。

     省庁は行政改革でスリム化を迫られてきた。ぎりぎりの職員数で過重な仕事を担っている。そんな現場に任せるだけでは対応できまい。

     大企業の場合は、障害者用の特例子会社を設置し、障害者に合った仕事を用意して雇用率を達成しているところが多い。だが、省庁にはそうした制度もない。

     まずは受け入れ態勢をきめ細かく整えるべきだ。数だけでなく、雇用の質においても民間に範を示せる道を模索しなければ、汚名を返上することはできない。

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