サウジアラビアは大動乱期に入った。ジャーナリストのジャマル・カショギ氏は、アブドラ前国王の時代にはサウジ王朝の内部にも支持者がいた。彼は自らの言論を「異議申し立て」とも考えなかった。トルコ・イスタンブールで殺害された彼の家族の出自は古代トルコ文化の中心地アナトリア地域に発するという。
彼がサウジで実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子批判に回ったのは、名も義も利もない隣国イエメンへの苛烈な軍事介入からだ。そして昨今ではサウジ拠点のジャーナリストの投獄という状況への批判も加わった。
原油代金であふれかえるサウジのイメージが濃いが、国際通貨基金(IMF)のマクロ経済指標を並べれば、すでに経済の持続性には黄信号がつく。2010年から17年までの実質国内総生産(GDP)伸び率(%)を列挙すれば、5・0▽10・0▽5・4▽2・7▽3・7▽4・1▽1・7▽マイナス0・9となる。皇太子が脱原油依存のサウジ経済構想を発表してからが特に不振なのだ。
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