SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『宴の前』『ビートルズはここで生まれた』ほか

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今週の新刊

◆『宴の前』堂場瞬一・著(集英社/税別1800円)

 堂場瞬一『宴の前』は、地方知事選をきわめてリアルにシミュレートした長編小説。古い港町を持つ雪深い地方都市で次期知事選挙が迫る。現職は引退を表明し副知事に継がせ、安泰と思いきや、その副知事が急死。たちまち白紙に。

 一方、立候補したニューフェースは女性で、しかも元五輪のメダリスト。認知度も高く、「冬季オリンピック招致」を公約に掲げる。強敵現る。地元有力紙の編集主幹を黒幕に、保守系与党のバックアップもあり、現知事は再び後継者を選び出すが……。

 利権、忖度(そんたく)、根回しと権力の闇が最大限にうごめき、爽やかな愛嬌(あいきょう)ある女性候補が、圧倒的有利に立つ。彼女をサポートする選挙屋のアドバイスなど、読者も渦中にのみ込まれる。現職知事が、二転三転の末、決心した秘策とは?

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