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武田 砂鉄・評『障害者と笑い』塙幸枝・著

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「できる」を受容しない、いびつな感性を突く

◆『障害者と笑い 障害をめぐるコミュニケーションを拓く』塙幸枝・著(新曜社/税別2200円)

 毎夏放送される「24時間テレビ」が繰り返してくる、障害者によるチャレンジ企画への違和感。障害者と健常者を明確に区分けし、「この人は障害者なのに、〇〇をやりきった!」で健常者の涙を誘発する作りに辟易(へきえき)する。そもそも、これらのチャレンジ企画の「目標設定そのものが健常者の身体を基準として成立するものである」とする著者の指摘がいきなり鋭い。

 確かに、速く走ったり、山を登ったり、プールを泳ぎきるという設定自体、障害者の人たちだって、頑張れば健常者と同じことができるのでは、と問う傲慢さがある。「障害者を笑うこと」と「障害者が笑うこと」と「障害者と笑うこと」を混同し、障害者と笑いの結びつきについて考察することから逃げる。その持続によって、メディアの中で障害者は、「感動」を作る商材としてのみ扱われ続けてきた。

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