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プーチンのロシア

欧米とのハイブリッド戦/1 OPCWハッキング、緊迫 オランダ当局と攻防3日間

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マリオットホテルの駐車場から見たOPCWの本部ビル。ロシア情報部員は手前のスペースに駐車したシトロエンの車内からサイバー攻撃をしかけた=ハーグで、八田浩輔撮影
マリオットホテルの駐車場から見たOPCWの本部ビル。ロシア情報部員は手前のスペースに駐車したシトロエンの車内からサイバー攻撃をしかけた=ハーグで、八田浩輔撮影

 軍事的手段に情報操作や政治工作などさまざまな手法を織り交ぜて他国を「攻撃」する「ハイブリッド戦」が国際社会を揺るがしている。ハイブリッド戦を積極的に推進していると指摘されるロシアと、ロシアへの警戒感を強め対抗策を模索する欧州各国。せめぎ合いの最前線を追った。

 「宿泊客と話がしたい」。オランダ・ハーグのマリオットホテル受付に私服姿の捜査員2人が訪れたのは今年4月13日の夕方だった。総支配人のビンセント・パールプラツさんによると、捜査員が名指ししたロシアからの宿泊客4人は同じタイミングでロビーに現れた。捜査員は男たちに同行を呼びかけ、ホテルの通用口から駐車場の方へと向かった。しばらくして1人の捜査員がロビーに戻り、パールプラツさんに告げた。「彼らは今夜オランダを離れる。もう戻らない」。それ以上の説明はなかった。

 ホテル側は半年後に真相を知る。今月4日の昼前、パールプラツさんに情報当局から電話が入った。「記者会見で捜査を説明するから中継を見てほしい」。1時間後、オランダのバイレフェルト国防相は会見でこう語った。「オランダ軍情報保安局(MIVD)は4月13日、ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)を狙ったGRUのサイバー作戦を食い止めた」。GRUは「ロシア軍参謀本部情報総局」の略称。ソ連時代から続くロシアの対…

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