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福岡労働局

無期転換直前の雇い止め無効も 河合塾に指摘

 大手予備校「河合塾」の福岡校(福岡市)などで29年間講師として働き、有期契約の非正規労働者が無期契約に変わることができる「無期転換ルール」の適用直前になって雇い止めになった男性について、福岡労働局が9月、「雇い止めが無効の可能性がある」と河合塾に文書で指摘していたことが、関係者への取材で判明した。

 無期転換ルールを巡っては、労働者が無期転換の権利を得る直前に雇い止めになるケースが相次ぐ。一方、ルールを定めた改正労働契約法は「労働者が契約更新されると期待する合理的な理由」などがある場合、雇い止めは無効と規定している。福岡労働局は、男性が毎年、特に説明がなく契約更新されてきたことが「合理的な理由」になる可能性があると判断。強制力はないものの、一方的な雇い止めに警鐘を鳴らす形となった。

 雇い止めとなったのは、佐賀県鳥栖市の松永義郎さん(68)。1989年から講師として河合塾で働き、近年は1年契約を6回更新して福岡校や北九州校で教えてきたが、無期転換の申し込み権を得る直前の3月末で更新されなかった。

 理由は「授業のアンケート結果が、前年からの注意・指導にかかわらず改善されなかった」とされているが、松永さんは「雇い止めにされるまで特に指導などはなかった。無期転換逃れが目的だ」と訴え、福岡労働局に河合塾への指導・助言を求めた。

 労働局は文書で、松永さんの雇い止めについて「社会通念上相当かは疑問」と指摘。さらに「無期転換ルールを意図的に避ける目的で雇い止めをすることは、法の趣旨に照らして望ましくない」とも指摘し、塾側に松永さんと改めて話し合うよう求めた。

 同様に契約更新を繰り返して働く非正規労働者は多く、松永さんを支援する首都圏大学非常勤講師組合は「労働局が『契約更新への期待』を理由に、雇い止めが無効の可能性があると判断した意義は大きい」と評価。松永さんは「労働局の判断が一方的な雇い止めの歯止めになってほしい」と話した。

 河合塾広報チームは取材に「松永氏の主張は当方の認識と異なり、これ以上の話し合いで歩み寄れるものはないと労働局に答えている」と回答した。【樋口岳大】

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