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社説

臨時国会スタート 首相が議論の土台作りを

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 臨時国会が召集された。12月10日まで48日間の会期となっている。

 安倍晋三首相が新たに3年の自民党総裁任期を得てから最初の国会だ。首相は所信表明演説で「次の3年、国民の皆様と共に新しい国創りに挑戦する」との決意を語った。

 今国会では日本社会のありようを変える可能性のある重要法案が審議される。外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法改正案だ。

 深刻な人手不足への対策であり、移民の受け入れではないというのが政府の説明だが、入管政策の抜本的な転換であることは間違いない。

 事実上の移民政策につながるとの指摘がある一方で、家族の帯同を5年間認めないなどの制限に対しては人道上の問題も懸念される。

 首相は「世界から尊敬される日本、世界中から優秀な人材が集まる日本を創り上げていく」と強調した。

 そうであるならば、人手不足対策に矮小(わいしょう)化するのでなく、移民の受け入れも含めた社会政策として真正面から論じるべきだ。与野党で徹底した議論をしてもらいたい。

 今国会では憲法改正論議の行方も注視しなければならない。自民党のまとめた自衛隊明記案の提示に首相が強い意欲を示しているからだ。

 演説でも「平成の、その先の時代の新たな国創り」へ向けて改憲を語り、「与党、野党といった政治的立場を超え、できるだけ幅広い合意が得られると確信している」と国会での審議入りを与野党に呼びかけた。

 しかし、国会で与野党が熟議する土台を崩したのは首相ではないか。

 先の国会では森友・加計問題の真相究明に取り組むどころか、野党の質問をはぐらかす不誠実な答弁に終始した。「謙虚に、丁寧に」と言いながら国会を軽んじる言動を重ねたことへの反省が必要だ。

 第1次政権を含め10年の長期政権を見据える首相は「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の皆様の懸念にもしっかりと向き合っていく」との一節を演説に盛り込んだ。

 臨時国会の審議を充実させたいのであれば、まずは首相自らこの言葉を実行に移すべきだ。

 森友・加計問題のみならず、人口減少や財政赤字などの不都合な現実と向き合い、野党とも真摯(しんし)に議論する姿勢が求められる。

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