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どうなる次世代加速器誘致 国際リニアコライダー、課題多く

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 国内外の物理学者らが北上山地(岩手、宮城県)への誘致を目指す次世代加速器「国際リニアコライダー」(ILC)を巡る議論が大詰めだ。宇宙誕生の謎に迫るとされる施設だが、8000億円もの建設費をどう確保するかなど、多くの課題がある。【酒造唯】

 ●ヒッグス粒子分析

 加速器は、光速近くにまで加速した電子や陽子などを衝突させて壊し、より基本的な構成要素の素粒子の性質などを調べる装置だ。宇宙誕生直後の高エネルギー状態を作り出せ、新しい素粒子の発見や物理法則の解明に役立ってきた。

 加速器には円形と直線状の2種類がある。ILCは後者で、地下約100メートルに長さ20キロのトンネルを掘り、その中で電子と陽電子を衝突させる。円形よりもサイズは大きくなるが、加速する際のエネルギーロスが少ない利点がある。

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