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クライミング

ジムが急増、事故も 業界、指導者育成に力

ジムで利用者のサポートをする日本クライミングジム連盟の木織隆生理事(左)=大阪府吹田市で2018年10月19日、山崎一輝撮影

 2020年東京五輪で正式種目になったスポーツクライミングが人気を集め、専用ジムがこの10年間で5倍に急増している。ただ、神戸市では今年9月、利用者が壁から落下し重傷を負う事故も発生。業界団体は事故の予防や応急処置ができるよう、インストラクターの指導を強化するなど対策を進めている。

 日本山岳・スポーツクライミング協会(東京都渋谷区)によると、国内の愛好者数は推計約60万人。専用ジムは急増し、08年の96カ所から昨年は476カ所にまで増えた。気軽に楽しめるスポーツとして定着しつつある。

 一方、12年に結成された業界団体「日本クライミングジム連盟(JCGA)」(川崎市)は「リスクを理解せず競技に挑む利用者や、十分な経験がないのにジムを開く例が増えている」と警鐘を鳴らす。JCGAには、壁の厚みや強度など設備の安全性、スタッフの応急手当ての能力など条件を満たしたジム約100店が加盟。重傷や死亡に至る事故の報告は数年に1件程度というが、未加盟のジムが多く全体状況は把握できないという。

 神戸市の事故は今年9月2日、中央区のジムで50代女性が高さ約8メートルから落下し、両脚を骨折した。登り終えた壁から降りる際、命綱が腰のベルトから外れたことが原因とみられる。ジムはJCGAには未加盟だった。運営会社は毎日新聞に対し、ベルトの金具などに破損はなく、命綱が適切に装着されていなかった可能性があると説明。安全確認の徹底をスタッフに指導し、命綱と腰のベルトをつなぐ金具を2個に増やし、営業を再開したという。

 JCGAは現在、特に認定インストラクターの育成に力を入れる。技術の向上より安全の重視を求め、実技や筆記試験を含む独自の研修制度も設けた。今年8月にはジムの責任者がインストラクターの育成法などを議論する「ザ・フューチャーミーティング」も初めて開催。木織(きおり)隆生理事は「一歩間違うと死亡するリスクがあるスポーツだと知ってもらったうえで、安全に楽しんでもらいたい」と話す。

 スポーツ庁は「競技人口の急増に対応が追い付いていない」という状況だ。昨年7月に警察庁や消防庁と連携して「山岳遭難セーフティーカード」をまとめ、部活動の指導者向けの啓発を進める。ただ、登山競技が念頭でスポーツクライミングに特化しておらず、担当者は「今後の課題」として対策を急いでいる。【黒川優】

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