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余録

19世紀の英国首相パーマストンは言った…

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 19世紀の英国首相パーマストンは言った。「英国は永遠の友人も持たないし、永遠の敵も持たない。英国が持つのは永遠の国益である」。当時の欧州では英国外交の背徳とエゴイズムを示すものと受けとられた▲だが大国間の力の均衡で平和が維持された当時の欧州である。英国が他のどことも同盟を結ばず、バランサーの役割を果たすのは勢力均衡の欠かせない要素だった。パーマストンの言葉も現実主義外交の優れた格言となったのである▲さて「友」と「敵」を両端とするものさしがあれば、その間で大きく揺らいだこの40年間の日中関係である。最近の中国が対日関係改善へ傾いたのも、米中貿易戦争が激化するなかでの「国益」のありかを再検討したからに違いない▲そんななか、中国を公式訪問した安倍晋三(あべ・しんぞう)首相がきょう習近平(しゅうきんぺい)国家主席、李克強(りこくきょう)首相とそれぞれ会談する。日中平和友好条約発効40年の秋、長らく冷え込んでいた日中関係を双方の国益に根ざした安定軌道にのせるチャンスになろう▲両国関係の新ステージを印象づけるのは、中国への政府開発援助(ODA)の終了だろう。今も対中ODAが続いていたのに驚く方もおられようが、今後は対等な立場から途上国支援での連携をめざすというから時代は変わったのだ▲日中間に対立の火ダネは残っても、双方の「永遠の国益」が相互の協力にかかっているのは明らかだ。もちろん「永遠の友人」としての関係も、両国の市民がお互いのふれ合いを通して育てていけばいい。

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