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カショギ氏事件の背景/上 皇太子の政敵300人拘束 繁栄の裏の恐怖政治

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拘束された王族や実業家の収容先となり、「世界一豪華な監獄」と皮肉られたリヤドの高級ホテル「リッツ・カールトン」=リヤドで2018年4月17日、篠田航一撮影
拘束された王族や実業家の収容先となり、「世界一豪華な監獄」と皮肉られたリヤドの高級ホテル「リッツ・カールトン」=リヤドで2018年4月17日、篠田航一撮影

 トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者、ジャマル・カショギ氏(当時59歳)が殺害された事件を巡っては、サウジ当局による組織的で残酷な手口が報じられ、国際社会に強い衝撃を与えている。サウジで何が起きているのか、事件の背景を探った。【カイロ篠田航一】

 タクシー運転手に行き先を告げると、表情が変わった。「そこはダメです」。サウジアラビアの首都リヤド。今年4月、記者は高級ホテル「リッツ・カールトン」を見たいと何人かの運転手に頼んだが、「宿泊せず、見るだけで行くのは危険」と相次いで断られた。

 無理もない。そこは最高実力者のムハンマド皇太子(33)率いる「汚職対策委員会」が昨年11月以降、政敵の王族や実業家ら300人以上を汚職容疑で拘束し、収容した場所なのだ。「世界一豪華な監獄」とも皮肉られたこのホテルには、検問を恐れて市民が近寄らない。ようやく1人のパキスタン人運転手(34)が記者の申し出を承知した。「分かった。でも写真は車内から一瞬で撮ってくれ」

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