特集

今週の本棚

「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

特集一覧

今週の本棚

中島岳志・評 『高坂正堯 戦後日本と現実主義』=服部龍二・著

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 (中公新書・1080円)

魅力ある国際政治学を体現

 戦後日本を代表する国際政治学者で長年、京都大学法学部で教鞭(きょうべん)をとった高坂(こうさか)正堯(まさたか)の生涯を描く。高坂は、絶対平和や中立のような理想主義的立場が主流の中、現実主義的立場から政治のリアリズムを重視し、歴代首相のブレーンとして活躍した。

 高坂の父は、京都学派の哲学者として知られた高坂正顕(まさあき)。カントの研究者で、戦中は日本の「世界史的立場」を強調する立場から大東亜戦争の正当性を主張した。そのため戦後は公職追放となったが、転向することなく信念を貫いた。高坂は、社会的評価に左右されず、自信に満ちた姿を貫いた父に敬意を抱きながら育った。

この記事は有料記事です。

残り1137文字(全文1446文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集