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(中公新書・1080円)
魅力ある国際政治学を体現
戦後日本を代表する国際政治学者で長年、京都大学法学部で教鞭(きょうべん)をとった高坂(こうさか)正堯(まさたか)の生涯を描く。高坂は、絶対平和や中立のような理想主義的立場が主流の中、現実主義的立場から政治のリアリズムを重視し、歴代首相のブレーンとして活躍した。
高坂の父は、京都学派の哲学者として知られた高坂正顕(まさあき)。カントの研究者で、戦中は日本の「世界史的立場」を強調する立場から大東亜戦争の正当性を主張した。そのため戦後は公職追放となったが、転向することなく信念を貫いた。高坂は、社会的評価に左右されず、自信に満ちた姿を貫いた父に敬意を抱きながら育った。
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