メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

若島正・評 『U&I』=ニコルソン・ベイカー著、有好宏文・訳

 (白水社・2592円)

紆余曲折する文章のおもしろさ

 人が本とつきあい、その本の著者である作家とつきあう、そのありかたはさまざまだろう。ただ、たいていの人間にとって、一冊の本はあまたある本のなかの一冊にすぎず、一人の作家は本を通して出会う大勢の作家のなかの一人にすぎない。わたしたちは、日常生活で一日に三度食事をするように、本を消費する。そして、ほとんどの食事が忘れ去られるように、消費した本もやがては記憶からこぼれ落ちていく。

 しかし、読者が一冊の本をただ単に読んだというだけではなく、文字どおり生きてしまうこと、そして一人の作家とともに生きてしまうこと、そのようなことは可能だろうか。本とその著者にいわば骨がらみになってしまうという事態は、ありえるのだろうか。そういう稀(まれ)なケースを描き出しているのが、アメリカの現代作家ニコルソン・ベイカーの奇書『U&I』である。

この記事は有料記事です。

残り1661文字(全文2048文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 爆笑問題の田中裕二さん、くも膜下出血・脳梗塞で救急搬送され入院

  2. 二階氏「ケチつけるな」に見え隠れする「権力集中の弊害」

  3. 鼻出しマスク受験「眼鏡が曇るから」 釈放男性、トイレにこもった訳は

  4. 際立つ大阪のコロナ死 その理由、高齢者の「命のリスク」高める構図とは

  5. 飛行機マスク拒否 大学職員「容疑と事実違う」 捜査車両でも着用しなかった理由

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです