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不知火のほとりで

石牟礼道子の世界/69 海底

 <日曜カルチャー>

生類の緋、天上の青

 「兄(あん)しゃまー」。幼い女の子の声がまだ耳に残っている。石牟礼道子さんの新作能「沖宮(おきのみや)」が10月6日夜、熊本市中央区の水前寺成趣園能楽殿で初めて上演された。約400人が薪能を堪能した。

 台風25号の接近により開催が危ぶまれた。通り過ぎたとしても、吹き戻しで薪が危険な状態にならないか。結局、台風は日本海へ抜け、6日午前中、予定通り開催が決まった。簡易かっぱを準備しての観覧だ。

 「沖宮」の、石牟礼さんの分身あやの衣装の緋色(ひいろ)は「すべての生類(しょうるい)につながる色」(石牟礼道子)。天草四郎の衣装の青系統のみはなだ色は「得もいえぬ天上の色」(志村ふくみ)である。緋色もみはなだ色も、石牟礼さんからイメージを伝えられた志村さんが草木で染めたものだ。天然の草木は、人間を含めた生きとし生ける者、生類につながる。

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