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憂楽帳

帰郷のおばちゃん

 「まだ2歳半だったから何も覚えてないよ」。福岡市東区箱崎の中華料理店「帰郷」の創業者、木村琴江さん(75)は、73年前をそう振り返る。養父母の話では、開拓団として旧満州(現中国東北部)にいた両親の下で生まれ、終戦後に父はシベリア、母や祖母、兄姉は収容所に送られた。木村さんは母の頼みで中国人夫婦に引き取られ、大切に育てられた。

 日本人であることは伏せて暮らし、19歳で結婚すると子供にも恵まれた。そして日中国交回復後の1973…

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