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サンダーソンファームズ選手権

PGAツアーで“スロープレー改革”の兆し?(PGA Tour)

情報提供:PGA Tour

WEEKLY TOUR REPORT Vol.134

コーリー・ペイビンがPGAツアーでは珍しいペナルティを課された Photo by Vaughn Ridley/Getty Images

先日、男子ツアーで久しぶりに“スロープレーによるペナルティー”が科せられた。といっても、PGAツアーのレギュラーツアーではなく、シニアツアーとなるPGAツアーチャンピオンズでの出来事だ。

 ペナルティーを受けたのは、元全米オープン覇者のコーリー・ペイビン(58歳/アメリカ)。バージニア州リッチモンドで開催されたドミニオンエナジー・チャリティークラシック(10月19日~21日)の最終日において、ラウンド終了後、ツアーオフィシャルからスロープレーによる一打罰の通告を受けた。

 これにより、ペイビンのこの日のスコアは「72」から「73」にドロップ。結果は、通算5アンダー、15位タイで大会を終えることになった。

 同大会は、シーズン終盤のプレーオフ(計3試合)初戦。次戦にはポイントランキング54位までの選手が進めるが、ペイビンは大会前、そのボーダーライン上にいた。下手をすれば、この一打で危うくシーズンが終わってしまうところだったが、どうにか53位に踏みとどまって、第2戦のインベスコQQQ選手権(10月26日~28日/カリフォルニア州)へ駒を進めることができた。そこは、不幸中の幸いだった。

22年ぶりとなるスローペナルティーを受けたブライアン・キャンベルとミゲル・アンヘル・カルバロ Photo by Chris Graythen/Getty Images

 さて、この“スロープレー”については、ゴルフ界で大きな問題となっている。来年1月から施行される新たなルールも、これまでにないほどの大改革が施されているが、そこには、ルールをいかにシンプルにして、プレーの進行をどれだけ迅速にできるか、という大きな狙いがある。

 ゴルフの普及に尽力する関係者の間で、「スロープレーはゴルフに要する時間を長くする。それが、ゴルフ人口減少の大きな要因のひとつになっている」という見方が強いからだ。

 そうした時勢のなかにあっても、実はチャンピオンズを含むPGAツアーでは、実際にスロープレーによるペナルティーを科すことは、これまでほとんどなかった。昨年、チーム戦による公式試合のチューリッヒ・クラシックにおいて、ブライアン・キャンベル(アメリカ)とミゲル・アンヘル・カルバロ(アルゼンチン)組がスロープレーによるペナルティーを受けたが、それも1995年以来、22年ぶりのことだった。

 その事実からも、今回のペイビンへのペナルティーがどれだけ珍しいことなのか、よくわかるのではないだろうか。

PGAツアー以外の大会ではスロープレーを厳しく取り締まる Photo by Andrew Redington/Getty Images

 というのも、PGAツアーでは、スロープレーに対する処罰は、ペナルティーではなく、おおよそ“罰金”で対応してきたからだ。

ちなみに、同ツアーの規定では、一打にかけられる時間が40秒。女子ツアーの米LPGAの30秒という規定よりも、なぜか10秒も長い。

 スロープレーに際して、まず警告を受けるのは、前の組から1ホール以上離れてしまった場合で、本来はその後、一打につき40秒を上回ったときに、1度目で一打罰、3度目で二打罰が科せられることになっている。だが、不思議なことに、PGAツアーではほとんどペナルティーが科せられることはない。

PGAツアーに比べて、欧州ツアーやマスターズ、あるいはUSGA(全米ゴルフ協会)主催の全米オープンなどでは、スロープレーについて、かなり厳しく対応している。2013年、松山英樹がペナルティーを受けたのも全英オープンだったし、同年のマスターズでは関天朗(かん・てんろう/中国)がペナルティーを受けている。

4分以上の長考をしたJ.B.ホームズ Photo by Sean M. Haffey/Getty Images

 今年のPGAツアーでは、こんなこともあった。

1月のファーマーズ・インシュランス・オープン最終日、最終組でプレーしていたJ.B.ホームズ(アメリカ)は、最終18番ホール(パー5)の第2打、イーグルを奪えばプレーオフに加わることができる局面において、「グリーンを狙うか、レイアップするか」と迷っていた。その際、なんと4分以上もの時間をかけていた。

 結局、ホームズはレイアップを選択してプレーオフに回ることができなかったのだが、併せてこのスロープレーに対するペナルティーも受けなかった。ただ、一部始終がテレビで放映されていただけに、ツアーの処遇には大きな物議を醸した。

 これまでの“慣例”どおり、罰金を科せられた可能性はあるが、その処遇については公表されていないだけに、事実はわからない。

スロープレーの積み重ねで試合が順延されることも Photo by Stephen Dunn/Getty Images

 思えば、このファーマーズ・インシュランス・オープンは、ジェイソン・デイ(オーストラリア)、ライアン・パーマー(アメリカ)、アレックス・ノーレン(スウェーデン)の3人によるプレーオフとなり、ひとホール目でパーマーが脱落したあとは、デイとノーレンの熾烈な一騎打ちとなった。

 そして、ふたりの争いは5ホールを終えても決着がつかず、日没順延。戦いは翌日の月曜日に持ち越されることになってしまった。つまり、ホームズだけの責任ではないが、全体のプレーがもう少し速ければ、マンデーフィニッシュは避けられる事態だったのだ。

 今回のペイビンへのペナルティーは、「来年のルール改正を見据えて、PGAツアーが厳しく対処していく姿勢を示した、その手始めだろう」と、テレビ解説を務めるラニー・ワドキンス(アメリカ。ツアー通算21勝。1977年全米プロ選手権の覇者)は話していた。

 PGAツアーでも、ようやく“スロープレー改革”が始まったのかもしれない。


情報提供:PGA Tour

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