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社説

野党はどう立ち向かう 批判力も提案力もほしい

 安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問がきのう、衆院本会議で始まった。

     まず注目したのは立憲民主党の枝野幸男代表の質問だ。同党は衆院に続き参院でも野党第1党となり、その責任はより重くなったからだ。

     枝野氏は冒頭、大島理森衆院議長が7月に発表した談話に関し、首相が所信表明演説で言及しなかった点をただした。談話は財務省の文書改ざんなどを踏まえて「民主主義の根幹を揺るがす」等々と政府側を批判し、対応策を求めたものだ。

     首相は「責任を痛感している」とあっさり答えるだけだったが、国会を軽視する安倍政権の本質を真っ向から突いた点は評価したい。

     しかし多くの不満も残った。

     今国会の重要課題となる外国人労働者の受け入れ拡大を目指す入国管理法改正案について、枝野氏は「首相が否定してきた移民受け入れ政策とどう違うのか」と追及し、「見切り発車では禍根を残す」と語った。もっともな疑問であり指摘だろう。

     だが将来、移民政策につながること自体に賛成なのか反対なのか、基本的な立場は明確にしなかった。確かに世論も割れる問題だが、この状態が続くようでは無責任となる。

     憲法改正問題でも枝野氏は「憲法の本質は国家権力を縛ること。縛られる側の首相が先頭で旗を振るのは論外」と一蹴するにとどまった。

     「立憲は政権を批判しているだけだ」という声は枝野氏も承知しているはずなのに、その傾向はますます強まっているように見える。やはりこれでは国民の支持は広がらない。

     立憲との違いを出す狙いもあるのだろう。対照的に国民民主党の玉木雄一郎代表は、北方領土問題に関し「2島返還」での解決を加速するよう促すなど提案型質問が目立った。

     外国人労働者への日本語教育の充実を要請すると同時に、自衛権の制約や発動要件を書き込む「平和的改憲」を提案し、国会での議論を進める考えもにじませた。ただし国民民主の場合は、こうした姿勢が結果的に安倍政権を助けることにつながっていると見られがちなのは事実だ。

     野党が安倍政権にどう立ち向かうかは引き続き大きな課題だ。立憲も国民も自らの弱点を素直に認め、ともに補い合うことが必要だ。

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