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岡崎 武志・評『ブラック・スクリーム』『やちまたの人』ほか

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今週の新刊

◆『ブラック・スクリーム』ジェフリー・ディーヴァー/著(文藝春秋/税別2500円)

 四肢麻痺(まひ)の車椅子探偵、リンカーン・ライムシリーズの第13作が出た。ジェフリー・ディーヴァー『ブラック・スクリーム』(池田真紀子訳)は、例によって読者の予断を先々で裏切る、ハラハラドキドキの快作だ。

 ライムは、自分の手足となって動くアメリア・サックスと結婚式間近。ハネムーンの行き先を相談しているところへ事件発生。「作曲家(コンポーザー)」と名付けられた未詳の犯人は、音に異常に敏感で、誘拐した被害者を首吊(つ)りにした映像に音楽をつけ配信する。目的が分からず、不気味で病的である。

 犯人の行方を追って、ライム一行がイタリアへ渡り、ほぼ外国が舞台になるのが新味。熱心だがひと言多い若い刑事や、ライムを敵視する気難し屋の検事など、相変わらずキャラクター造形が巧(うま)い。ライムがかすむほどだ。

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