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キャンパスNOW

トップに聞く 次の50年へ改革 京都産業大学 大城光正学長

おおしろ・てるまさ 1949年6月、広島県廿日市市生まれ。73年、広島大学文学部卒。78年、同大大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。85年、京都産業大学外国語学部講師。助教授を経て、93年、教授。外国語学部長、学生部長、研究機構長、副学長などを経て、2014年から現職。専門は印欧比較言語学

 「産学連携」を建学の精神として1965年に開学した京都産業大学は、2014年以降、学部・学科の新設や再編など大学改革に積極的に取り組んできた。少子高齢化、グローバル化、情報化社会の到来と、それに続く第4次産業革命という社会の大変革期を迎え、どのような人材育成に取り組むのか。大城光正学長に聞いた。【中根正義】

    新たな価値 生む人材を

     --18歳人口が減少期に転じ、2031年には今より約20万人少ない100万人を切ると予想されています。AI(人工知能)やあらゆるモノがインターネットとつながるIoTなど第4次産業革命の到来により、大学には社会の変化に対応した改革が求められています。

     本学は15年に創立50周年を迎えました。京都にあるワンキャンパスの総合大学として、100周年を迎えた時にも社会から選ばれる大学であり続けたいと、15年に新たな大学像のスローガンとして「むすんで、うみだす。」を宣言しました。

     京都産業大学はこれまで、「産業」を「むすびわざ」と読み解き、「ヒト」「モノ」「コト」を結びつけて新たな価値を見いだすという理念を掲げてきました。新たなスローガンは、それを継承するものであり、担い手として学生像を「むすぶ人」と位置づけました。次の最初の15年間のグランドデザインとして、アクションプラン「神山STYLE2030」を策定しました。

    高齢化や情報化に対応 新3学部/ワンキャンパスの強み生かす

     --14年の外国語学部の学科再編を皮切りに、学部・学科の新設や再編を行っています。その総仕上げともいえるのが、来年4月に新しくする三つの学部、経営学部、国際関係学部、生命科学部です。

     急速に進む高齢化や情報化の進展などに対応し、社会の要請に応える人材を輩出しようと、14年以来、全学的に学部・学科の新設や改組を進めています。来春再編する経営学部は経営学科、ソーシャル・マネジメント学科、会計ファイナンス学科の3学科をマネジメント学科の1学科に再編するものです。多面的な問題に対応できる統合的なマネジメント能力を持つ人材育成を構想しています。

     国際関係学部は、語学力の養成だけでなく、海外フィールド・リサーチやアクティブ・ラーニング型の授業などを通じて実践力を鍛えます。海外フィールド・リサーチは英語圏やアジア圏(タイ、マレーシア、ベトナム)での約3週間の海外研修を必修としています。国際機関での実務経験者も教員として採用し、英語をツールとして専門の実務的な能力を養ってほしい。既存の外国語学部でも、来年度から専攻の言語だけでなく他言語も強化する複言語主義のカリキュラムを導入します。

     --生命科学部は文理融合的な要素もある新たな学部です。

     現在の総合生命科学部の3学科(生命システム学科、生命資源環境学科、動物生命医科学科)を生命科学部に再編し、先端生命科学科と産業生命科学科を設置します。産業生命科学科は、生命科学と社会科学の知識を備えた人材の育成を目指すもので、文系科目での受験も可能です。企業との連携から産業界で役立つ実践力を磨くなど、学部の目玉になるのではと期待しています。

     --京都産業大学は総合大学でありながら、ワンキャンパスにすべての学生が集い、一連の改革や教育研究が効率よく行われているように感じます。

     オープンキャンパスを一つの例に挙げると、学生たちはスタッフとして参加し、学部紹介などを主体的に行っています。準備の際に文系理系を問わず全学部の学生が集まって意見交換し、それが新たな出会いを生むことにもなり、非常に好評です。

     --ラーニングコモンズやグローバルコモンズなどの学生施設も、多様な学部の学生が集うことで、より活性化します。

     図書館には「Lib.コモンズ」があります。授業や講演会、報告会など、さまざまな用途に利用できるホールです。少人数でのディスカッションやプレゼンテーションの練習もできます。また、新設の国際関係学部にはスチューデントコモンズが設置されます。授業の空き時間なども学内で有効に時間を活用できるようにしています。その他の施設にも学習スペースなどを設けるなど、学生たちが学び合う環境作りを重視しています。

     --情報理工学部には3Dプリンターなどをそろえたファブスペースもあります。

     理系学部は数理科学や宇宙物理、たんぱく質研究などが中心で、他大学に比べて「ものづくり」のスペースが少なかったといえます。機械工学やロボット工学の研究者を採用し、ドローンや3Dプリンターをそろえ、ものづくりの視点を入れることで学部の魅力を高めています。

     --近年、京都の大学は元気がいいと言われています。市内に本部を置く大学は29、短大は9あり、京都市民の10人に1人が大学生という学生の街です。

     複数大学で単位互換やインターンシップで協力する「大学コンソーシアム京都」という事業があり、全国的に見ても成功しています。「大学のまち京都・学生のまち京都推進会議」という組織もあり、京都の大学は学生の動向に敏感です。

     京都の大学同士で共存共栄を図ることは大事ですが、オンリーワンの魅力をアピールしていくことも必要でしょう。本学の強みに、世界屈指の天文学・宇宙物理の研究や、たんぱく質の研究が挙げられます。科学誌の「ネイチャー」と「サイエンス」に掲載された論文数が14年4月から15年12月まで、国内の私立大でトップに立ったこともあります。

     これからは論文の数だけでなく、質の向上も目指したい。就職においても就職率だけでなく、就職先にも目を向け、教育・研究・就職の3分野の質の向上で受験生や保護者、企業などにアピールしていきたいと思います。京都の大学として、京都のブランドやオンリーワンの魅力を発信していけるよう、さらなる改革を進めます。

    ワンキャンパスに約1万3000人の学生が集う京都産業大学

    開学から一貫、産学連携追求

     京都産業大学の創設者、荒木俊馬は我が国物理学界の草分け的存在として知られる。アインシュタインの教えを受け、京都大学時代の教え子には、ノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹や朝永振一郎らがいる。

     そんな荒木が1965年に設立したのが京都産業大だ。開学当時、全国で学園紛争が吹き荒れていた。「産官学連携」が評価されるような時代ではなかったが、「学問と企業をむすぶ」を建学の理念に掲げた。知の結節点として大学の役割を明確化し、オープンイノベーションの場となる知のプラットフォームとなることを構想した。

     現在、9学部と八つの大学院からなり、京都市北区にあるワンキャンパスに約1万3000人の学生が集う。創設者の思いが詰まった神山天文台は大学のシンボル的な存在。情報化社会の到来を踏まえ、コンピューター教育に先駆的に乗り出し、グローバル化時代を見越して世界問題研究所を設立するなど、その先見性は特筆される。

     大学設立50年を迎えた2015年、次の50年を見据え、15年後のグランドデザイン「神山STYLE2030」を策定した。改革期・発展期・充実期をそれぞれ5年区切りで位置づけ、教職員が一体となって400以上の項目について、その進捗(しんちょく)状況を1年ごとに検証している。

     建学の精神に基づき、大学改革に突き進む京都産業大。その動きに注目だ。【毎日新聞大学センター長・中根正義】


    キャンパス

     〒603-8555 京都市北区上賀茂本山

    学生数

     1万3228人(学部合計、2018年5月1日現在)

    学部

     経済学部、経営学部、法学部、現代社会学部、外国語学部、文化学部、理学部、情報理工学部、総合生命科学部

    ホームページ

     https://www.kyoto-su.ac.jp/


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