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社説

TPPの年内発効決定 米圧力に多国間で対抗を

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 米国発の貿易摩擦で世界経済を混乱させているトランプ政権への対抗軸として活用すべきだ。

     日本など11カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が12月30日に発効すると決まった。経済規模で世界の1割強を占める大型の自由貿易圏が年内に誕生する。

     当初は2019年の早い時期を目標にしていたが、TPPを離脱した米国が強硬な保護主義策を連発し、各国が手続きを急いだ。発効が早いほど米国の圧力に抗しやすくなる。

     米国が抜けてもTPPの意義は変わらない。関税削減や、企業が海外で活動しやすくなるルール整備が進み、日本も含めたアジア太平洋地域の経済がより活発になりそうだ。

     米国が強気なのは、自国の巨大な購買力をバックに相手に譲歩を迫れると考えているからだ。だがTPPが発効し参加国同士の貿易が盛んになれば、米国への依存度が低下し米国の圧力をしのぐ防波堤になる。

     日本も、来年1月に始まる対米貿易交渉で米国をけん制できる。

     米国は、日本の農産物市場開放で一方的要求を突きつけかねない。だがTPPが発効すると、米国の農産物の対日輸出はTPP参加国より不利になる。米農業界から早期決着を求める声が高まり、日本が交渉を優位に進められる可能性がある。

     ただトランプ政権が不満を募らせて、検討している自動車への高関税発動を持ち出す恐れがある。日本以外の国にも圧力を強めかねない。

     それだけに、TPPとして参加国を拡大し、米国に対抗する多国間の枠組み強化を急ぐ必要がある。

     タイやフィリピン、インドネシア、韓国などが関心を示している。規模が大きくなるほど、米国もTPPを軽視できなくなるはずだ。

     年内発効が決まったことを受けて日本政府は、新規加盟への対応を協議する閣僚級会合を年明けに日本で開くと発表した。発効を主導した日本の役割は引き続き重要である。

     日本などは、アジアでもう一つの自由貿易圏をつくる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内大筋合意を目指して交渉している。

     中国やインドが入るためTPPより規模が大きく、米国への対抗力は強まる。日本は中国との関係改善も生かし、交渉をリードすべきだ。

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