受動喫煙防止の機運が高まる中、喫煙者を採用しない企業が少数ながら徐々に増えている。ただ、受動喫煙防止や健康経営は重視するものの、採用段階で喫煙者を除外すれば門戸を狭めることにもなるため大半の企業にためらいがあるようだ。
●価値観が明確に
神奈川県鎌倉市の鎌倉駅からほど近い一軒家にカレーの香りが立ち込める。正午を過ぎると次々と客が訪れる。地元のIT企業「カヤック」(従業員332人)が運営し、市内に拠点を置く約30社が会員になっている共同の「まちの社員食堂」だ。テラスも含めて全面禁煙になっている。カヤックは採用のホームページで「禁煙企業で、原則として喫煙者は採用しない」と宣言している。社員食堂に仲間と来ていた同社の田中利奈さん(37)は学生時代に吸っていたが、就職活動時は禁煙していたので「気にならなかった」と振り返る。
「面白法人」を名乗るカヤックは給与額の一部をサイコロを振って決めるなどユニークな運営で知られる。2006年に禁煙企業にしたのも社員合宿で「たばこ嫌だよね」という話になり「何となく決まった」。採用で困ったことはなく「企業の価値観が明確になって良かった」と説明する。
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