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科学者としての天皇陛下 ハゼの分類法提案、新種発見も

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研究者としての歩み
研究者としての歩み

 来年4月末に退位される天皇陛下は、ハゼの分類を専門とする研究者としても知られる。豪州の研究者らが陛下の名にちなみ、新種に「エクシリアス・アキヒト」という学名を付けたほど、研究は海外でも高く評価されている。科学者としての陛下の歩みを紹介する。【荒木涼子】

 ●精密さと広い視野

 10月6日午後、東京都内であった日本魚類学会の研究発表会。100人を超える聴講者のいる会場に天皇陛下は静かに入室し約30分、研究者2人の発表に聴き入った。その後、最近出版された魚類の百科事典を紹介されると、「(魚を)選ぶのは大変だったことでしょう。研究は進んでいますから」と編集者をねぎらった。

 陛下が同学会の会員として、学会誌にハゼに関する論文を初めて発表したのは、皇太子時代の1963年。染色液で67種類のハゼの体を染めた後、胸ビレを支える肩甲骨を観察し、その形状で3グループに分けられると論じた。以来、ハゼの分類について、2016年までに計32編の論文を発表した。著者名は皇太子時代は「明仁親王(英文ではPrince Akihito)」、即位後は「明仁(同Akihito)」だ。

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