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余録

「北窓を塞ぎて今日の午睡かな」は永井荷風の句…

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 「北窓を塞(ふさ)ぎて今日の午睡かな」は永井荷風(ながいかふう)の句。今では何のことかと思われようが、「北窓塞ぐ」が初冬の季語である。夏の風通しを第一に考えた昔の家では北側の窓を閉ざし、目貼(めば)りをするのが冬支度(ふゆじたく)だった▲歳時記には同じく「北窓塗る」もある。こちらは壁の窓を土で塗り込めるということで、逆にいえば夏は窓をくりぬいたのだ。高温多湿の夏と冷たい季節風の吹きつける冬をしのぐには、それぐらいの力(ちから)業(わざ)をいとわなかった昔である▲「冬(ふゆ)構(がまえ)」とはこのような家の防寒、防雪、防風のための手入れや庭木の霜よけなど、冬支度一般をいう季語だった。思えばこの7日はもう立冬、すでに北海道胆振(いぶり)東部地震の被災地ではきのう朝も氷点下1・3度まで冷え込んでいる▲その厚真(あつま)、むかわ、安平(あびら)の3町に造られた応急仮設住宅への入居が始まった。真冬には氷点下20度を下回る日もあるこの地域である。仮設住宅も天井や壁、床下の断熱材を厚くし、二重窓で冷気を防ぐ寒冷地仕様になっているという▲大阪北部地震や西日本豪雨、度重なる台風の襲来など、立て続けに広域での災害に見舞われた今年の日本列島である。仮設住宅や応急修理しかできていない家で暮らす方々には思ってもみなかった冬支度を強いられることになった▲目貼りや壁塗りは要らぬ現代の「冬構」だが、仮住まいで寒さに備える方々には暮らしの再建への構えを固められる冬になればいい。各地の寒さはいろいろでも、助け合う人々の心のぬくもりは同じだ。

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