芸術

逆さまの風景と昔の写真 市井の人の歴史浮き彫りに

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
Inner landscapes, Ruth, Turku, 2011 (C)marja pirilä
Inner landscapes, Ruth, Turku, 2011 (C)marja pirilä

 逆さまになった窓の外の風景が、壁一面に映し出される。その部屋の中で、一人の歴史を浮き彫りにする--。カメラ・オブスキュラと呼ばれる技法を使ったポートレートを撮っているフィンランドの写真家、マルヤ・ピリラさんと、写真を使った陶器の作品を製作している日本のユニット、Satoko Sai + Tomoko Kuraharaが2009年にフィンランドで始めたプロジェクト「Inner Landscapes(インナー・ランドスケープス)」が、第2弾の撮影を東京で進めている。写真、映像、陶芸を使って市井の人の歴史を視覚化する、その手法とは。【中嶋真希】

 東京の下町、台東区入谷にある古い公民館の一室。ピリラさんが黒いビニールで部屋を覆い、メガネのレンズをはめた小さな穴から光を入れる。しばらくすると、壁に逆さまになった街並みが映し出された。壁に映った狭い道を車が通り過ぎていく。この日、ピリラさんが撮影したのは、浅草で生まれ育った高橋恵久子さん(79)。いつも、この公民館でヨガの教室を開いている。「瞑想(めいそう)をしながら撮ってもらった。呼吸の音は…

この記事は有料記事です。

残り1311文字(全文1784文字)

あわせて読みたい

注目の特集