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社説

来訪神が無形文化遺産へ 民俗行事への関心広がる

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 「男鹿(おが)のナマハゲ」(秋田県)など8県の年中行事10件が「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しとなった。ユネスコの補助機関が登録を勧告した。

 大みそかや小正月、盆など年の節目に、仮面や仮装で異形の姿にふんした者が神として現れ、家々を訪問する。怠け者を戒めたり、邪気を払ったりして福をもたらすとされる伝統行事だ。

 地域コミュニティーにより長年にわたって伝承されてきた。次世代へ継承する力としたい。

 神が外部から人間界を訪れ、豊作や幸福をもたらすという信仰は、世界各地にあるという。

 日本列島においても、北はナマハゲから南は「宮古島のパーントゥ」(沖縄県)まで広範に存在する。異なる文化や歴史を持ちながら、同じ形態の信仰が受け継がれてきたことは興味深い。

 それぞれの祭りは地域で独自のストーリーを持ち、特色ある発展を遂げてきた。普遍性と同時に、自然と共存してきた豊かな地域文化の多様性を感じることができる。

 無形文化遺産は10月現在、世界で399件を数える。うち日本は「歌舞伎」「結城紬(ゆうきつむぎ)」「和食」など21件あり、国別では2番目に多い。

 日本は1950年に文化財保護法を施行し、有形だけでなく無形の文化財の保護にも力を入れてきた。

 ナマハゲはかつて、単独で登録済みの「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島県)との類似性が指摘され、登録に至らなかった。今回はトシドンを拡張して「来訪神」として一括して提案したのが奏功した。

 多くの自治体や集落は、少子高齢化や過疎化で、祭りの担い手である若者の減少などの問題を抱える。登録で地域活性への期待もかかるが、どのように継承していくか、それぞれ対策に腐心する。

 すでに来訪神の保存や振興を図る自治体間の組織はできているが、さらに連携を強め、互いにノウハウを交換していくべきだろう。

 習俗や祭りは地域の結束を深め、人々をつなぐ絆となる役割を果たしてきた。グローバル化の進展で都市の均質化は、地方にも及ぶ。地域の独自性を大切にしたい。

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