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たたなづく

価値を伝える懸け橋になりたい=河瀬直美

プロバンスのオリーブ畑にて=2018年9月、河瀬さん提供

 ロクシタン(植物原料を使ったスキンケア製品のブランド)の哲学を伝えるための映像作品を3タイプ創るために、9月の初め、フランスはプロバンス地方を訪問した。この時期はラベンダーなどのハーブは花を咲かせていなかったが、滞在中は強く美しい朝陽(あさひ)が昇り、夕暮れには濃いオレンジの光が射(さ)し、近くの教会を照らす、そんな時間を過ごすことができた。女優の石橋静河(しずか)さんをアンバサダーとしてお迎えした。彼女の持つ魅力を最大限に活(い)かすように、プロバンスの風を存分に浴びてもらい、特に決まった台詞(せりふ)があるわけではない時間を過ごした。彼女の静かな微笑(ほほえ)みは、誰しもがもう一度その笑顔に逢(あ)いたくなる神秘的なものだ。決して大げさではない、その静けさは、人々の心の深く遠くに届いてゆくように想(おも)う。石畳の古く小さな村を散策しながら、ふと見上げた時に感じる木漏れ陽の心地よさ、大地を照りつける太陽に負けることなく歩むこと。それらは自然に寄り添いながら生きる術(すべ)を模索してきたプロバンスの人々の知恵となる。

 ロクシタンの創設者オリビエ・ボーサンさんは、66歳。23歳の文学部の青年はたまたま譲り受けた蒸留器…

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