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黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続

/95 第二話 姑の墓=宮部みゆき 題字・絵 藤枝リュウジ

 姑と嫁のあいだには、丸太の階段一段の高さの差がある。頭一つ分あまり、お母ちゃんの方が上にいる。

 姑を仰ぐお恵の顔には、幸せそうな笑みが浮かんでいた。瞳は輝き、頬は薄紅色、くちびるはしっとりと艶やかだ。

 城下から嫁いできた、かがり屋の自慢の美しい嫁。

 出し抜けにお母ちゃんが両手を持ち上げ、二つの手のひらを開いて、振り返って半身をこちらに向けているお恵の両肩を、力いっぱい突き飛ばした。

 それでもお恵は微笑(ほほえ)んでいた。満面の笑み。その身体(からだ)が宙に飛び出した。

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