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西日本豪雨

助け求め110番5880件殺到 広島県警

道路には濁流があふれ、大破した車も流されていた=広島市安芸区で2018年7月7日、東久保逸夫撮影

 西日本豪雨から4カ月となるのに合わせ、広島県警は5日、発生当時(7月6~8日)の110番受理件数を発表した。6日は2129件、7日は2571件と平時の約3倍で1日の件数で過去最多とみられる。ピークだった6日午後8時台の総合通信指令室の通話も一部明らかにし、「入電中の背後で土砂崩れの音があり」「『助けて』と声を出している」と、被災状況を現場に伝える緊迫した様子が浮かんだ。

 県内は土砂崩れや川の氾濫などが同時多発的に発生し、109人が死亡、5人が行方不明となった。110番は6~8日で計5880件あり、広島市で77人が死亡した土砂災害発生時(2014年8月20日)の1223件を大きく上回った。

 自然災害関連に絞ると6日660件、7日849件、8日63件。雨が強かった6日午後6~8時と、状況が明らかになってきた翌7日午前5~7時が1時間あたりで最も多く100件を超えた。この他、避難等のため道路状況を問い合わせる内容も3日間で計646件。署の内訳は、被害が甚大だった広島市安芸区や坂町などを管轄する海田署管内が最多で計377件だった。

 指令室のやりとりでは、「土砂が入っており、ドアが土砂で開かない。さらに入電中の背後で崩れる音があり」「車両2台が川へ転落、助けてと声を出している」などと通報内容を署や現場に伝達。署は「深い土砂さらには倒木で現場に近づけない」「他の事案対応等で警察官が手いっぱいな状況」と返答し、殺到する通報に対応が追いつかない状況になっていた。指令室は「管内で多数土砂災害発生。臨場中は2次被害、受傷事故には十分配慮」と何度も注意を呼びかけていた。

 指令室は通常12人体制だが、最大20人で通報の受理や指令にあたった。担当した通信指令課副指令官、宮下健一警部(57)は「通報は6日夜と7日朝に特に集中し、一部対応できなかったものもあった」と話した。3日間の110番は愛媛県警が計1066件、岡山県警が計約4300件。愛媛県はピークの7日が521件で前年の1日平均の倍以上となった。両県警とも内訳の詳細を公表する予定はないとしている。【小山美砂】

通信指令「どうしようもない事態 悩んだ」

 豪雨発生当時、広島県警総合通信指令室から各署や現場の警察官に通報内容を指令していた行原信也巡査部長(31)らが毎日新聞などの取材に応じ、「車、家が流れるという通報がどんどん入ってきたが、すぐに警察官を派遣できない場所もありもどかしかった」と当時を振り返った。

 強い雨が降り続けた7月6日は午後4時ごろから災害に関する通報が入り始め、午後6時台から100件を超え、休む間もなく通報が鳴り続けた。「とんでもないことが起きている」と感じたが、詳細は分からない。それでも「通報内容を現場に伝えなければ、危険にさらされている住民を助けられない」とできる限り発生状況や危険箇所を整理し、指示を出し続けた。

 一方で現地の状況がつかめないことも多く、2次災害の危険も顧慮し「可能であれば現場に向かって」との指示にとどまることも。自身も2014年の広島土砂災害直後に応援で現場に入った経験があり、「現場に近付けなかった警察官の悔しさ、無念は大きいだろう」とおもんぱかった。

 7日未明には通報がいったん落ち着いたが、周囲が明るくなった早朝は再び増えた。24時間の勤務を終えると喉がかれていた。「的確な指示を出し続けるしかないと精いっぱいやったが、人の力ではどうしようもない事態に直面し、悩んだ」と率直に語った。【小山美砂】

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