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武田 砂鉄・評『彗星の孤独』寺尾紗穂・著

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重なり合うことを求めず出会った意味を探し合う

◆『彗星の孤独』寺尾紗穂・著(スタンド・ブックス/税別1900円)

 ここまで起きたことを受け止めようとするのがやたらとしんどい時、同時に、これから起きそうなことまで抱えてしまうから、もっとしんどくなる。前借りして抱えこむ様子に対して「大げさだよ」なんて言葉で処理されると、すっかり身動きがとれなくなる。視界がせばまる。

 音楽家・文筆家の寺尾紗穂が記したエッセーを一編ずつ読み進めていくと、横軸・縦軸の話にぶつかる。「私たちは、普段横軸の世界に生きている」けれど、「詩の朗読や音楽というのは、そこに、縦軸を現前させることができるように思う」。音楽、あるいは読書のすごいところは、「同時に多数の人に時間の縦軸を見せられるところ」。

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