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社説

巨大IT企業の規制 データ支配ただす一歩に

 一握りの企業がデータを支配する実態をどう是正するかが課題だ。

     政府は、インターネット分野で圧倒的シェアを持つ巨大IT(情報技術)企業の規制強化に向けた報告をまとめた。代表格は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コムの米国企業4社である。

     寡占が進んだのは、規模が大きくなるほど利便性も高まり利用者がさらに増えるというネットの特性による。その結果、巨大企業が支配的な立場を利用して、利用者から不当な利益を得てしまう恐れがある。

     まず個人情報の扱いだ。巨大IT企業は無料の検索や交流サイトなどのサービスを通じて膨大な情報を集め、事業拡大に活用している。

     報告は個人情報を「金銭と同様に経済的価値を有する」と認めた。その上で利用者が使ったサービスの価値を上回る場合、独占禁止法に違反する可能性があると指摘した。

     巨大IT企業を通じて商品を販売する中小企業も、高額の利用料を課されるなど独禁法に反する扱いを受けている恐れがあるという。

     政府は今後、実態調査をした上で独禁法適用などを検討する方針だ。

     こうした規制の方向は妥当だ。

     IT産業は今後の経済成長に重要な役割を果たすものである。巨大企業が自らのもうけを優先し、利用者の利益を損なってしまえば、経済全体の健全な成長は望めない。

     企業に社会的責任を求める必要もある。これまでIT企業は取引の場所を貸しているだけとみなされ、問題があっても重い責任は問われなかった。影響力がこれだけ巨大化した以上、見合う規制は欠かせない。

     ネットでの検索結果や情報発信が政治も動かすような時代である。不透明と指摘されるデータ処理の基準の明確化も重要だ。

     ただし、日本はようやく規制に着手した段階に過ぎない。

     先行しているのは欧州連合(EU)だ。既に導入した厳格な個人情報の保護ルールも含めて、規制を包括的に整えようとしている。日本はEUを参考に整備を急ぐべきだ。

     規制に実効性を持たせるには、国際連携も欠かせない。巨大企業を抱える米国は規制に慎重な姿勢を示してきた。日本はEUと協力し米国に規制への同調を促す必要がある。

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