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北海道地震

2カ月 厚真、ぬくもりで再起 魅せられ移住、町職員誓う

町民向けの災害FM放送を担当し、機材を操作する藤田あさこさん=藤田さん提供

 最大震度7の北海道胆振(いぶり)東部地震から2カ月が経過した。富山県出身の藤田あさこさん(31)が住む厚真町も36人が犠牲になり多数の家屋が損壊した。人々のやさしさに魅せられて移住し、町職員になって2年目。特産のハスカップをPRし、町の魅力を更に発信しようとしていた矢先の災害で、厳しい現実に直面しているが「新たに生まれた町民とのつながりを、町の未来につなげたい」と誓う。【日下部元美】

     藤田さんは北海道大を卒業後、いったん札幌市の食品会社に就職したが、都市部よりも人と人の距離が近いコミュニティーに関心を持ち、まちづくりの分野で働きたいと思うようになった。

     各地の自治体を調べる中で、相談した厚真町の職員から「町をよくしようとするものすごい熱量」を感じた。町は移住者向け宅地造成など定住促進に熱心で、年約50人が移り住んでおり、自身も転職に踏み切った。「外に対して開けており、皆が気さくに接してくれたことも決め手だった」と話す。

     2017年春、まず産業経済課に配属され、生産面積日本一を誇り、ジャムや菓子などの材料になるハスカップの広報などを担当した。できるだけ多くの町民と接しようと、町内イベントにも積極的に参加してきた。

     一層の情報発信に力を入れ町を盛り上げようとしていたとき、地震が起きた。直後から避難所の運営を担当。先が見えず落ち着かない日々が続く町民たちと一緒に寝泊まりするうちに、顔を覚えて声をかけられる機会も増えた。「『ちゃんと休んでいる?』とこちらに気をつかってくれるのです」。改めて、人々の温かさを感じた。

     先月、移住前から関心のあったまちづくりの担当部署に異動し、災害FM局の機材管理などを担当している。ただ、復興が最優先課題となり、従来の移住促進策も再検討が必要になった。藤田さんも「これからは復興に向けたより困難な課題に向き合う必要がある」と戸惑いも少なくない。

     この2カ月、町は最大の被災地として報じられ、「本当はいろいろな魅力があるのに」と複雑な思いもある一方で、被害に苦しむ町民とも接し、町外の人々に「元気です」と言える状況ではないこともわかっている。

     そんな葛藤が続く時、元気づけてくれるのは、移住のきっかけにもなった気さくでやさしい人々とのきずなだ。「今回の経験を通じてできた人のつながりを、これからの厚真と自分にとってのパワーにしたい」と力を込めた。

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