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再思三省

「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

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再思三省

第68回 「大坂」選手は「大阪」出身

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大坂なおみ選手=藤井太郎撮影 拡大
大坂なおみ選手=藤井太郎撮影

「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

なおみフィーバーの余波?

 大坂桐蔭高校 → 大阪桐蔭高校

 前回はテニスの「大坂(×大阪)なおみ」選手を取り上げましたが、その後大坂選手の表記に注意するあまりなのか「大坂桐蔭高校」という変換ミスを立て続けに目撃しました。「大阪出身の大坂選手」なんて二重に間違えそう。ちなみに大阪の地名は「もと『大坂』と書いたが、1871年、大阪府は『坂』を『阪』に改めた」(大辞林)。江戸時代後期には「大坂」「大阪」両方の表記があったようです。「大坂夏の陣」など、歴史的事象は時代に応じて適宜使い分ける必要があります。

語末の「ス」「ズ」に法則なし

 沖縄タイムズ紙 → 沖縄タイムス紙

 9月末の沖縄県知事選に関する記事で現れました。考えてみれば、米ニューヨーク・タイムズ、英フィナンシャル・タイムズをはじめ、海外の有名紙では「〇〇タイムズ」をよく見かけます。そのせいで今回も手が滑ったのでしょうか。他にも、気象情報を提供する会社名が「ウェザーニューズ」であるのに、同社のサイトやアプリは「ウェザーニュース」という表記であるなどややこしいものも。固有名詞の語末の「ス」「ズ」は一つ一つ確認することが必要です。

漢字の意味に思いを致せば

 泥が吹き出す → 泥が噴き出す

 先般の北海道地震、インドネシアの地震では液状化現象が起き、それに伴い地中から泥が「吹き出す」と表記する原稿が見られました。「噴出」という熟語を思い浮かべれば分かるように「噴」が適切。「ふき出す」「ふき出る」の場合、「夜になって風が吹き出した」といったケースを除けばほぼ「噴」です。おかしくてプッと「噴き出す」のもこちら。思わず笑ってしまったときに「お茶吹いた」などと表現するものをネットでは見かけますが、これも「噴いた」の方がよいでしょう。

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