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新聞社の社会部には昔から事件記者と呼ばれる記者がいる。事件現場、関係者、捜査当局への取材で特ダネを書くのが使命だ。
私も若いころ、その端くれだった。中でも殺人事件で、被害者の家族への取材はつらかった。
今年、「全国犯罪被害者の会(あすの会)」が18年にわたる運動に幕を下ろした。かつては遺族が遺影を法廷に持ち込むことさえ許されなかった。会の運動で2005年に犯罪被害者基本法が施行され、その後、法廷で被告に質問する権利も認められた。
妻を殺害された弁護士の岡村勲さんらメンバーの運動を支えたのは、被害者を苦しみから少しでも救いたいという一念だったろう。
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