連載

科学の森

科学や環境問題を専門に取材する記者が、身近な話題を図解を交えてわかりやすく解説します。

連載一覧

科学の森

能力桁違い量子コンピューター 開発競争激化、日本の巻き返しは

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
激化する量子コンピューター開発競争
激化する量子コンピューター開発競争

 現在のスーパーコンピューターの計算能力をはるかにしのぐと期待される「量子コンピューター」の開発競争が世界で激化している。米国のグーグルやIBMなどの企業がけん引し、中国など各国政府も巨額予算で後押ししている。一歩出遅れた日本は巻き返せるか。【阿部周一】

 ●0と1 並列処理

 量子とは、原子や光子などのごく小さな粒子の総称で、波の性質も併せ持つ。現在のコンピューターが「0」と「1」のどちらかの状態を表す「ビット」を使って計算するのに対し、量子コンピューターは「0」と「1」の両方の状態を同時に取れるという量子特有の「重ね合わせ」を利用し、多数の計算を並列処理する。

 例えば、従来型コンピューターは2ビットの場合、「00」「01」「10」「11」の4パターンを一つずつ処理するが、2量子ビットの量子コンピューターはこの4通りを一度に扱える。1回で処理できるのは、量子ビットの数がn個なら2のn乗、50量子ビットでは約1125兆通りにもなる。天文学的な並列処理の中から有効な解を導き出せれば、スパコンをはるかに上回る計算速度が期待できる。実用化すれば、膨大な化学物質の…

この記事は有料記事です。

残り1245文字(全文1728文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集