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小惑星ベンヌ

見た目リュウグウそっくり NASA博士

小惑星探査の意義について語る米航空宇宙局(NASA)のポール・エーブル博士

 探査機「オシリス・レックス」で小惑星ベンヌの試料採取を目指す米航空宇宙局(NASA)のポール・エーブル博士がこのほど、東京都内で講演し、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」との協力関係について語った。両機が表面からの試料採取に挑む小惑星は見た目がそっくりで、エーブル博士は「双方の試料を比較することで、より多くの科学的な知見を得られる」などと宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタッグを組むメリットを語った。【池田知広】

 エーブル博士は、NASAの小天体探査の主任研究員。今年6月に小惑星リュウグウに到着したはやぶさ2と、来月にもベンヌに到着が予定されるオシリス・レックスの両プロジェクトをつなぐ橋渡しの役割も担っている。最近になって、いずれの小惑星もそろばん玉のような形をしていることがはっきりと分かってきた。エーブル博士は「NASAの同僚から『間違えてリュウグウに行ってしまったんじゃないか』と言われた」と笑い話を紹介。その上で「ベンヌには黒い点々がある一方で、リュウグウにはない。いずれの小惑星も炭素質だが、これから違いが何かを見極めていくことになる」と話した。

ポール・エーブル博士が示した小惑星リュウグウ(左)とベンヌを比較するスライド

 小惑星の大きさはリュウグウが直径約900メートルなのに対して、ベンヌはその半分程度。いずれも太陽系の成り立ちの鍵を握る有機物などを保持しているとみられている。エーブル博士は「採取した試料は互いに交換して解析し、学んだことを教え合う。二つのミッションで三つのミッションのことを実行しているくらい効率がいい」とメリットを述べた。

 オシリス・レックスは2022年2月にベンヌを離れ、はやぶさ2よりも9カ月ほど遅い23年9月に試料の入ったカプセルを帰還させる計画だ。試料の採取方法については、はやぶさ2が接地した筒の中で弾丸を発射し、表面の物質を舞い上がらせるのに対し、オシリス・レックスは接地させたアームから窒素ガスを噴射する方式をとる。

 また、リュウグウとベンヌはいずれも、地球に接近する軌道を持つ「地球近傍小惑星」に分類されている。このことからエーブル博士は、人類に破滅をもたらす小惑星の衝突をいかに防ぐかにも言及した。博士によると、今年11月現在、NASAが追跡している小惑星などの小天体は78万9000個以上。そのうち1940個の小惑星が、将来的に地球に衝突する可能性があるという。

 エーブル博士は、危険な小惑星に宇宙機を高速で衝突させて軌道を変えるNASAの「DART」実験にも携わる。博士は「ミサイルを撃ったり、小惑星を爆破するのは現実的ではない。最善の方法は、とにかく早く小惑星を見つけて衝突することだ」と強調した。

 講演会は米国大使館が主催。宇宙ファンら約90人が熱心に耳を傾けた。

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