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絶滅危惧種

救えクロツラヘラサギ 山口に保護センター

きらら浜自然観察公園の干潟に設置したクロツラヘラサギの保護施設を説明する原田量介園長=山口市阿知須で、松田栄二郎撮影
多々良川で羽を休める絶滅危惧種のクロツラヘラサギ=福岡市東区で、野田武撮影
福岡県糸島市でくちばしに釣り糸が絡まった状態で見つかったクロツラヘラサギ。針が刺さった翼から出血が見られる=日本クロツラヘラサギネットワーク提供

 山口県立きらら浜自然観察公園(山口市阿知須)に24日、絶滅危惧種である渡り鳥クロツラヘラサギを保護する国内初の施設「日本クロツラヘラサギ保護・リハビリセンター」が開所する。山口湾に面した公園の干潟約8ヘクタールは国内越冬地の北限で、その一角に公園の指定管理者「NPO法人野鳥やまぐち」が、民間基金の助成を受けて設置した。衰弱で飛べなくなるなどした場合に受け入れ、自然に近い環境で野生復帰を目指す。

 クロツラヘラサギはトキ科の鳥で、黒い顔とへら状の細長いくちばしが特徴だ。朝鮮半島や中国で繁殖し、台湾、香港、日本などで越冬する。朝鮮戦争で生息地が荒れるなどして1980年代には数百羽まで減り、近年は保護活動で回復しているものの、環境省のレッドデータブックで2番目に絶滅の恐れが高い区分の「絶滅危惧1B類」に指定されている。国内では今年1月、九州・山口各県を中心に計508羽の越冬が確認された。

 福岡市の「日本クロツラヘラサギネットワーク」によると、河口などでくちばしを水中で左右に振って餌を捕まえる際、放置された釣り糸が絡まったり、釣り針やルアーが翼や足に刺さったりして負傷したり、死んだりすることがある。国内でそうしたケースが年7、8羽確認されるが、長期間療養や保護ができる施設はなかった。

 保護・リハビリセンターは、年30羽前後が飛来する山口湾の干潟に建てた縦16メートル、横20メートル、高さ3メートルの金網ケージ。干潟にあるためケージ内も小魚、エビなど餌となる生き物が豊富に生息する。山口大共同獣医学部や県内の動物園と協力して治療し、ケージ内でのリハビリを経て干潟に放つ計画だ。

 園長を務める原田量介・同NPO理事によると、ケージ内の鳥は飛来するクロツラヘラサギから見えるので、山口湾で越冬する個体を園内に呼び込む効果も見込まれる。原田理事は「園内で夏を過ごす個体が増えれば、国内で初めて繁殖を始める可能性がある」と期待を込めている。【松田栄二郎】

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