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WTO

改革、貿易戦争の影 米中協力見通せず

日本やEUなど有志国が動き出す

 日本や欧州連合(EU)など有志国が世界貿易機関(WTO)改革に動き出した。米中両国の貿易戦争が激化する中、WTOの機能不全があらわになり、自由貿易体制を維持するには、改革が不可欠だからだ。ただ、米中の協力を得られるかどうかは見通せず、改革は長い道のりになりそうだ。

     「WTOをめぐる現状はもはや持続可能なものではない」。日欧など有志13カ国・地域が10月下旬、カナダで開いた閣僚会議の共同声明は、保護主義の高まりに強い危機感を表明し、改革の必要性を訴えた。

     この会議に参加していない米中両国の間では、互いの農産物や工業製品に高関税をかけ合う貿易戦争が深刻化している。その背景には、中国がWTOルールを守らずに知的財産権の侵害などで各国に不利益を与えているとの米国の強い不満があり、トランプ米大統領は「WTOを改革できなければ離脱する」との姿勢を示している。

     日米欧は、自国産業への補助金支出について、WTOに対する通報義務を怠った加盟国に事実上の罰則を与える案を12日に共同提案する予定。期限を2年過ぎても報告しなかった国はWTOで要職に就けないようにし、負担金も増額する。さらに1年たっても報告しなければ、「活動停止国」と位置づけ、会議の最後にしか発言できないようにして実質的に協議から締め出す。報告を怠っている中国を念頭に置いた措置とあって、米国も共同提案に応じた。

     しかし、WTO改革を巡る米国の真意は見えない。WTOの紛争処理は、1審にあたる小委員会(パネル)と控訴審の上級委員会があるが、米国が上級委委員(定数7)の選任に反対し続けている。任期切れなどで来年12月には委員数が最低限度の3人を割り込み、裁断を下せなくなるため、欧州は強く反発している。米国は自ら発動した輸入制限や対中制裁でWTOに提訴されており、敗訴する可能性があるため「WTOの無力化を狙っている」(元WTO高官)との見方が根強い。

     また、中国の知的財産権侵害については有効な対策が見いだせないなど、課題は山積している。改革の実現には米中の理解をいかに得るかも大きな課題になりそうだ。【清水憲司】

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