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社説

大相撲と暴力決別宣言 角界で根絶の意識徹底を

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 大相撲の九州場所がきょう初日を迎える。昨年は、場所中に日馬富士関の暴行が発覚した。現役横綱が酒席で後輩力士を殴打するという事件は角界の信頼を大きく損なった。

 事件から1年後の先月、日本相撲協会は暴力決別宣言と再発防止策をまとめた。「いかなる暴力も許さない」と宣言はうたう。その重みを力士や親方は受け止めてもらいたい。

 事件を契機に設置された再発防止検討委員会は力士や親方ら約900人の全協会員と個別面談を行った。その結果、5・2%が昨年1年間に暴力を受けたことがわかった。

 暴力を受けた者の9割は入門1~3年目の力士だった。一方、暴力を振るった者の半数は4~6年目の力士だ。兄弟子が弟弟子に指導名目で暴力を働く風潮が見られた。

 宣言で目を引くのは、暴力問題が起きた時の報告義務と報告を怠った者への処分を明確に規定した点だ。

 大相撲では部屋の自主性が重んじられ、協会も積極的には立ち入らなかった。その密室性が暴力の温床になったことは否めない。内部通報制度も機能しなかった。

 だが、見て見ぬふりはもう許されない。報告義務を課す範囲は決まっていないが、当事者をはじめ、見聞きした者や親方まで広げるべきだ。

 暴力事案の調査や処分を決める委員会には外部識者が入るという。親方だけでなく第三者の声を聞き入れ、公正性を保って解決を図ろうとする姿勢は評価したい。

 ただ、身内に対する甘さが完全に取り払われたとは思えない。

 指導力や管理能力を親方の資格要件とし審査を導入するように、との再発防止委の提言は見送られた。大相撲独特の部屋制度の健全運営のためにも検討を続けるべきだろう。

 再発防止委によれば、平成に入ってからの不祥事の7割は外国出身力士によるものだ。技量向上ばかりに目が行き、相撲道などの教育がおろそかだったのではないか。

 協会は指導強化に向けて有識者会議を設置するが、今や関取の2割は外国出身という時代だ。実効性の伴った具体策を急ぐ必要がある。

 暴力根絶に求められるのは、何より角界全体の自覚と意識改革だ。今回の宣言が「絵に描いた餅」で終われば好角家の心は今度こそ離れる。

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