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張競・評 『姫君たちの明治維新』=岩尾光代・著

 (文春新書・1058円)

些細な痕跡から事実掘り起こす

 化学反応の速度を変え、加速させる触媒と同じように、歴史という反応装置に「女性」という分析試薬を滴下すると、過去の天幕にはたちまち色鮮やかなスペクトルが現出する。

 江戸城の無血開城といえば、主役の西郷隆盛と勝海舟の二人はまず連想されるだろう。だが、古今東西の多くの大事件と同じように、その裏にも女性の影があった。徳川十三代将軍家定夫人の天璋院篤子と十四代家茂夫人の静寛院宮親子内親王(和宮)らの女性は衝突を回避する「陰の功労者」とかねて言われてきたが、そのわりには彼女らの生涯や裏工作の詳細はあまり語られていない。

 後宮の女性たちの家系図をたどっていくと、近代史の出来事は教科書にあるような、単純なものでないことが…

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