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馬場正男と撮影所・京都カツドウ屋60年

勝田友巳記者が、京都の撮影所と共に人生を歩んだカツドウ屋が見てきた映画戦後史をひもときます。火曜日更新。

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馬場正男と撮影所・京都カツドウ屋60年

/191 地べたからセット造り

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 現在ではテーマパークとなっている広島県福山市の「みろくの里」。馬場正男は、ここが観光地となる先べんをつけた。1988年9月、荒れ地だったこの場所に、勝新太郎の監督作「座頭市」撮影用の巨大な宿場町のオープンセットを造ったのだ。

 勝は67年に設立した勝プロダクションで、「座頭市」シリーズを看板にドラマや映画を手がけていたが、採算を度外視した作品作りがたたり81年に倒産。新作は勝が懇意の実業家から出資を受けた、最後のテレビシリーズ以来約10年ぶりの座頭市だった。天才肌の勝のわがままぶりは変わらず、映画は準備段階から混乱が続く。しかし良いものを作ろうという志は高い。

 脚本が固まる前にオープンセットを組むことになり、広い空き地があって雨が少ないみろくの里が選ばれた。予算は破格の3億円。美術監督は梅田千代夫、馬場は昔なじみの仲間と建て込みを任された。街道沿いに大小40軒ほどの家が建つ宿場町を、無から造る。「地割りして整地もやったんさ。くぼ地を埋めて崖をつぶして、道を造ったり広げたり。何にもない所に、地べたからこしらえた。『将軍 SH〓GUN』でやったから、少しは…

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