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 現在ではテーマパークとなっている広島県福山市の「みろくの里」。馬場正男は、ここが観光地となる先べんをつけた。1988年9月、荒れ地だったこの場所に、勝新太郎の監督作「座頭市」撮影用の巨大な宿場町のオープンセットを造ったのだ。

 勝は67年に設立した勝プロダクションで、「座頭市」シリーズを看板にドラマや映画を手がけていたが、採算を度外視した作品作りがたたり81年に倒産。新作は勝が懇意の実業家から出資を受けた、最後のテレビシリーズ以来約10年ぶりの座頭市だった。天才肌の勝のわがままぶりは変わらず、映画は準備段階から混乱が続く。しかし良いものを作ろうという志は高い。

 脚本が固まる前にオープンセットを組むことになり、広い空き地があって雨が少ないみろくの里が選ばれた。予算は破格の3億円。美術監督は梅田千代夫、馬場は昔なじみの仲間と建て込みを任された。街道沿いに大小40軒ほどの家が建つ宿場町を、無から造る。「地割りして整地もやったんさ。くぼ地を埋めて崖をつぶして、道を造ったり広げたり。何にもない所に、地べたからこしらえた。『将軍 SH〓GUN』でやったから、少しは…

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