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社説

就労外国人 膨大な論点 複数委員会で連合審査を

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 外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法改正案の国会審議がいよいよ衆院で始まる。与党は3日程度の委員会審議で来週にも衆院を通過させる構えをみせている。

 しかし、法務省の所管事項を扱う法務委員会だけでは、法案審議の受け皿として小さすぎないか。

 これまで日本が受け入れてこなかった、いわゆる単純労働者も対象に新たな在留資格を設ける内容だ。政府が提出した法案では入管制度以外の課題は先送りされたが、膨大な論点をセットで議論しなければ、新制度の是非は判断できない。

 例えば、日本で働きながら生活する外国人の医療・年金などの制度設計はどうするのか。厚生労働省はまだ明確な方針を示していない。

 日本語教育や住環境の整備も必要になる。コミュニケーションの難しい外国人が地域社会に溶け込めない形で増えれば、住民の間に不安や反発が広がりかねない。従来の技能実習制度では劣悪な労働環境から逃げ出す事例が社会問題化している。

 これまではそうした受け入れ環境の整備を地方自治体やNPO法人などが担ってきたが、国が責任を負わなければ新制度はいずれ破綻するだろう。文部科学省や総務省はどのような対策を検討しているのか。

 人手不足に悩む業種ごとの対応も経済産業、農水、国土交通などの各省が示すべきだ。関係閣僚列席のもとで包括的に議論する必要がある。

 国会の委員会の多くは所管省庁ごとの縦割りだが、複数の委員会が共通の案件を審議する「連合審査会」制度が頻繁に活用されてきた。

 衆院では2002年に心神喪失者医療観察法を審議する際、法務、厚労の連合審査会が国会の会期をまたいで6回開かれたこともある。

 それぐらいしなければ、多岐にわたる論点は消化できまい。柔軟に首相や関係閣僚の出席を求められる特別委員会を設置する手もある。

 入管法改正案を今国会の最重要法案に位置づけたのは安倍政権だ。本来なら与党から連合審査や特別委設置を提案するのが筋だろう。

 「移民政策ではない」と矮小(わいしょう)化したいがために、入管政策の微修正であるかのごとく国会で扱うのであれば、国民への説明責任を軽んじているといわれても仕方ない。

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