メルケル独首相は10月29日に12月のキリスト教民主同盟(CDU)の次期党首選に立候補せずと表明した。
首相に就任した2005年からの13年間は元首相らの「支援」で道筋をつけたといえる。経済面ではシュレーダー前首相の遺産が大きかった。社会民主党(SPD)の党首であったシュレーダー氏は、「ドイツ病」とも呼ばれた危機的状況に対して、労働者に規律を求める改革に踏み出した。医師の診断書さえあれば欠勤も広範囲に許容されるのが労働者の権利ではないとした。メルケル氏はこの遺産の恩恵でユーロ圏のみならず世界経済における地位の再確立を果たした。
シュミット元首相もSPDの出身だ。彼は国際社会のなかで西ドイツの持続性をいかに図るかに注力した人物だ。1974~82年の8年間はその格闘の歴史だった。とりわけ当時のソ連との間の交渉と対陣は、冷戦激化となった時期の欧州史の骨格をなす。メルケル氏は対外政策を中心にシュミット氏の助言には常に耳を傾けたといわれる。
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