SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『芸能の不思議な力』『小村雪岱挿繪集』ほか

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今週の新刊

◆『芸能の不思議な力』なかにし礼・著(毎日新聞出版/税別1700円)

 なかにし礼『芸能の不思議な力』は、その芸能人生を集大成するような、中身のたっぷり詰まったエッセー集。

 美空ひばり、美輪明宏、石原裕次郎との親密ぶりが、まずもって凄(すご)い。「歌謡界の至宝」美空ひばりからは、LP12曲すべての作詩を依頼された。聖なるレコーディング体験。ひばりがクラブ「ラテンクォーター」で飛び入りで歌った「悲しい酒」は会場を涙の海にした。それを見て「自分の魂に向かって歌っていたのだ」と悟った。

 美輪明宏には、歌の精霊との合体を見る。シャンソンの訳詩を手がけていた無名時代に、流行歌の作詩を勧めたのが石原裕次郎。裕次郎の墓碑銘のような歌「わが人生に悔いなし」は、著者が手がけたものだ。

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